Nov 20, 2015

和食を見直し、麹菌と仲良く

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健康ブームも後押しして、世界から注目を集めている和食。でもみなさん、1日にどれくらい和食を食べていますか?ついつい手軽さから朝はトースト、昼はパスタ、夜はカレー、、なんて洋食に偏りがちな日もありますよね。でも、和食の良さを改めて知ると、食卓は豊かになり、美容や健康にも良いことづくし。美容業界のお仕事経験もある山崎明子さんに、ご自身の経験を通して、麹の魅力や「作り手を知る」大切さを教えて頂きました。
(写真 しいれいフォト)


麹との出会い

食の都大阪は心斎橋で生まれ育ち、美味しい物が大好きでした。

料理上手でお酒大好きな祖母と暮らしていたので、小さなころから珍味などが食卓に並び、思い出はいつも食卓の中にありました。フルタイムで働く母は、朝は大いそがし。朝は焼きたてのトーストにコーヒーメーカーの落ちる音。それが幼少期からの私の朝。麹の話をするのに、「朝はパン?」「お味噌汁の香りが漂う、朝の食卓ではないの?」という声が聞こえてきそうです(笑)。

私の中の和の食卓は夕飯。学校から帰ってきたらお台所から良い香り。
料理上手な祖母のひいた、黄金色のお出汁。その香りと色は、今でも脳裏に焼き付いています。その出汁で作った、じゅわっとお出汁が出る出汁巻卵も忘れられません。

大人になった私は食ではなく人の身体や美容に興味を持ち、エステ会社を経て化粧品会社に入社しました。たくさんのお客様と接していると、ライフスタイルがお肌に現れるのです。高い化粧品を使って頂いているけど、やはり体の中もケアしてあげないとダメだな…と感じていました。

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その後、結婚・出産と環境がめまぐるしく変わります。

理想の子育てと現実との違い。娘の食物アレルギーで皆と同じものが食べられない事、それによる肌荒れで、「可哀想」と思ってしまう自分。「理想」がポキっと折れ始めた頃、また母として体と心と向き合う機会がやってきました。が、母乳除去食でストレスがたまっていた私は、

「正しい子育て。正しい食事法ってなによ。もう好きにしてやる~!!」

(笑)と、この時期人生の中でかなりのジャンクフード期間でした。世間では、塩麹が流行り始めていましたが全く興味無し。大好きだったはずのお料理も、美味しい物を食べに行く事もほとんどしなくなりました。今思うと、食べる物と体と心は繋がっているのだなぁ…と思います。

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そんな私でしたが、偶然通りかかったOLIVE JAPANで、小豆島のオリーブオイルと出会います。実家が小豆島とご縁があり、子どもの頃からオリーブは良く食べていました。そこで出会った人々に小豆島の話を聞いて、「よし!遊びに行こう!」と思い立つのです。その頃、車のCMで小豆島のヤマロク醬油さんの蔵が使われていました。その風景に何だか興味をひかれた私。「あそこに行ってみたいから連れて行ってください」と島の友人にお願いしました。

初めての醬油蔵。
説明を聞き、ヤマロクさんの天然醸造の蔵の木桶を眺めていると、長年使いこまれ何度も何度もお醤油を醸してきた桶の微生物たちに、衝撃を受けました。

「目に見えないこんなに小さな微生物達が、この美味しいお醤油を作っているのね。」

文にするとこんな感じなのですが、五感で感じた、ものすごい衝撃でした。麹がお醤油やお味噌を作っている事は知っていたけれど、

「美味しいか普通か不味いか」「高いか安いか」

で判断する位の知識でした。
「材料にこだわり、時間と手間をかけて作っているのに、こんなに安くて良いの?この値段ならお得なくらい!」と、私の価値観がこの時180℃変わりました。この時の気持ちは、今私が主催している教室でも必ず話しています。

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作り手の見える食べ物を食べたい

この気持ちはいつも心にありました。せめて売る人と買う人のコミュニケーションがとれるお店が良いなと思っていました。子どもの頃、市場でお店のおっちゃん、おばちゃんと

「これはどこで採れたん?今もう食べごろ?」とか「これどうやって食べたら美味しいのん?」と。

こういうコミュニケーションがとれている間は、おかしな食品はそんなに増えないのではないかしら、と思います。売り手がプロだから、プライドがあるから変な物は扱いませんよね。これは、蔵の職人さん達も同じです。受け継がれてきた技で土台を作り、蔵についている微生物達がお醤油やお味噌を作っていく。プロだからこそ、「本物の材料で本当に美味しい物を作っていく」「自分たちが説明できる物づくりをする」「うちのが一番大好きだ」そんなお話を何度もお聞きしました。

食の安全が叫ばれる今、良い悪いでジャッジするのではなく、買う側の私たちも、「作り手の声を聴く」「作り手の想いを知る」という事に立ち返ってみる時が来たのではないかな。と感じています

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私は麹たちと出会って、とても大事な事に気づきました。

「私たちはたくさんの目に見えない微生物達と共生している。むしろ、この微生物達がいるから私たちは今生きているんだな。豊かさを手に入れたと思っているけど、それすらもこの子たちがいるおかげなんだ。ありがとう。」

という事です。この事に気づいた時、感謝の気持ちと共に心が温かくなりました。

作り手の声を聴きながらお気に入りのお醤油やお味噌を使い、甘酒を食べ、美味しい日本酒や味醂・お酢、これをただ毎日「美味しいなぁ!!」と食べているだけで、たくさんの幸せに気づきました。

いつもの食卓にひとつだけ美味しいお醤油を足してみてください。とっても豊かな食卓になります。
是非和食を見直し、麹菌と仲良くなって欲しいと思っています。

山崎 明子

元化粧品メーカー美容部員でありセラピストの経験から、外側からのケアの限界を感じる。出産後、娘のアレルギーから腸内環境の大切さに気づき、その頃旅をした小豆島の天然醸造の蔵の微生物達の営みに感動し日本の伝統調味料に興味を持つ。伏木暢顕に師事し醸せ師となり発酵教室を行っている。
http://ameblo.jp/akoppupu/
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