Jun 5, 2015

明日からマネしたくなる、 賃貸住宅で「電気代ゼロ」のたのしく心地よい暮らし

shizen_1
オーガニック食材やリサイクル品を暮らしに取り入れるなど、エコロジーな暮らし方を意識している女性は増えています。でも「電気」を本格的にエコロジーされている方は、まだ少ないかもしれませんね。そこで今回は、2012年9月に東京電力との契約を解除し、「電気代ゼロ円生活」を送っている「ソーラー女子」こと藤井智佳子さんの暮らしぶりを拝見しました。

「まずは高い電気代を節約したい!」というママさんでもはじめられる、身近で簡単な節電方法から、自家発電の様々なアイディアをご紹介します。


――まずは皆さんに、衝撃的な写真をお見せしたいと思います。こちら、何だかわかるでしょうか?

201503261723

・・・土鍋で炊いたお芋とにんじん、ですよね。おこげができいるのがわかるでしょうか。ほんの少し湯気もたっています。

実はこれ、記者が取材の直後、電気もガスも使わずに太陽の力だけで(!)自宅ベランダで蒸し煮にしたもの。この手で実験するまでは、信じられませんでしたが、ソーラーエネルギーだけで、ホカホカの「七分煮え」くらいになったのです。

201503261552

――特別に用意した道具はありません。長年つかっている古い土鍋(まっ黒)に、にんじんと菊芋を入れ、塩少々を入れただけ。お水も入れませんでした。

そして100円均一ショップで買ったアルミシートで、太陽の反射が鍋はだに当たるようにざっくり覆います。それをベランダに9時から15時までの6時間、放置しただけ。(2015年3月26日・東京・晴れ)まだ桜も寒そうにつぼむ季節でしたが、数時間後にフタをあけると。ホカホカ…。

少しかたさは残るけれど、ほのかな甘みもあり、温野菜サラダとしてはバッチリです。もっと細切れにすれば、より熱も通ったでしょう。お日様のエネルギーだけあって、味はなんだかやさしいです。

3月でこの加熱状態なら、夏はどうなるでしょう? おそらく真夏の晴天日なら、日本全国で再現可能でしょう。

これは、究極的に、おサイフにも地球にもやさしい、カンタン調理法かも。家事や育児、仕事に忙しい皆様に、ぜひおすすめします。

――このソーラー調理を教えてくれたのは、東京都・国立市在住で『ソーラー女子』というホームページを運営する、織物・染色作家の藤井智佳子さん(56)。「団地に住みながらオフグリッドし、オール自家発電」した方として、メディアにもしばしば登場されています。

オフグリッドとは、電力会社から家などに電線で送られる電力網(グリッド)とつながっていない状態のこと。

そう、なんと藤井さんは2012年9月に東京電力との契約を解除し、「電気代ゼロ円生活」に踏み切られたのです。

あたりまえじゃない」ことの気づきからスタート

shizen_4知らない方が見ると「あれ?(線が切られている)」と驚くこともあるという、玄関口の電力メーター

――一体どのような経緯で、電気代ゼロ円生活に? 藤井智佳子さんの自宅におじゃまし、その暮らしぶりをのぞかせていただきました。

通していただいたリビングは、とても静穏で、清潔な空気が流れています…。壁の漆喰(しっくい)がラフ塗りでおしゃれ。これは藤井さんご自身で塗られたもので、湿気などを調節し、天然の空気清浄器のような役割をしてくれるそう。漆喰って、自分で塗れるのですね。

shizen_5
「ワークショップをおこなっているメーカーもありますし、ラフな塗り方なら、どなたでも簡単にできますよ。私はロハスウォールという自然素材の建材店から取り寄せた漆喰を使いました。接着剤も天然素材なので、乾くまで磯の香りがしていたんです」

――磯…。聞いているだけで気持ちよい香りが鼻先をくすぐりそうです。そうするうち、キッチンの炭入りバケツの上のヤカンからは、シュンシュンと蒸気がたちのぼり、ハーブティーを淹れていただきました。深く、しみわたる味……。じんわりしていたら、次はホカホカの蒸しリンゴまで登場。こちら、なんと太陽の熱だけでつくられたものだそうです。ふわっと、やわらかくて、全体的に滋味深い…皮つきのリンゴ片が全体的に“手をつないでいる”感じといいますか…。つい、おかわりをいただいてしまいました。どうやったら、太陽熱だけでこんな料理が?

shizen_6
「簡単なんですよ。この黒い筒状の“ソーラースチーマー”に、皮ごと切ったリンゴを入れて、こうしてベランダに置いておくだけなんです。スチーマー内部は最高で90
度近くの温度になり、シュワシュワと湯気があがってきます。家庭に一つあると、とても便利ですよ」

shizen_7
――枝豆、焼きイモ、サトイモも、皮ごとクルッとむけるほど柔らかく調理できるそう。太陽って名シェフなのですね…。

「自分でつくった電気は愛おしい」とおっしゃる意味が少しわかってきましたが、節電と言いながら一人で一日8,000ワット以上使っていそうな記者にも、こんなやさしいエネルギーづくりはできるでしょうか。

「私も、初めからこんな生活だったわけではないのです。以前は、夜の2時~3時まで起きている夜型で、朝起きたらテレビのスイッチを入れて、寝るまでつけっぱなしでした。そんな生活が変わったのは、2011年3月11日の東日本大震災です。

私の住む東京都国立市では数回の大規模な計画停電があり、あたりまえに電気が“ある”と思っていた生活のもろさや原発の恐ろしさを痛感しました。『電気って“なくなる”ものなんだ』と…。それで、まずは防災用に、ソーラーパネル1枚を買ってみたんです」

――それから藤井さんの節電の意識は高まり、使わない家電のプラグをコンセントから抜き、照明をLED電球に変えてみた。冷蔵庫を省エネタイプに変えると、電気代が1,000円ほどダウン。

「冷蔵庫って電気の大食いなのですね。もともとエアコンも好きではなかったので扇風機に切り替えたり、不必要な家電をどんどんやめたら、30ンペアから15アンペアまで“アンペアダウン”しました。それが2011年の夏です。

3・11直後はスーパーの商品が品薄になって行列ができていたので「お肉や魚は、必要な世代に譲ってあげよう」と考えて、なんとなく菜食になりました。そうしたら冷蔵庫のスペースが余るようになり、電源を切ってみたのが2011年の秋です。

照明ダウンで夜が暗くなると、自然にぐっすり眠れるようになり、菜食生活もあってか体の調子がよくなり、風邪も引かなくなって…。こうなると、ただ節電というより、工夫をする生活そのものが面白くなってきたんです」

――2012年の春に長女が大学進学のため自宅を出たのを機に、本格的に家電の断捨離をスタート。テレビは押入れにしまい、冷蔵庫は処分。それでも不自由を感じなかった藤井さんは、同年の秋に電力会社とさようならをすることにした。

「ところが、契約を切ってから最初の3日間は、あまりに暗いので晩ごはんの支度もできなくて。正直、カルチャーショックを受けました。とんでもないことをしちゃったなって。
それが4日目になると慣れてきて、この暮らしを楽しもうという気になってきました。人間って環境に順応するものなんですね (笑)」

→続きを読む

メールマガジン
おすすめのイベント情報やコラムのご紹介をメルマガでお届けします。「新着情報や人気コラムをまとめて知りたい」という方はぜひご登録ください!
最新の記事をチェック

関連記事