Dec 2, 2015

世界一やさしいヨガで疲れた女性たちを“ゆるめたい” 「和みのヨーガ」ガンダーリ松本さん(後編)

gandari3
「子どもは親を逆に映す鏡」「『いいお母さん』をやめると、子どもはいい子に育つ」など、目からうろこの子育て術を教えてくださった、「和みのヨーガ」創設者のガンダーリ松本さん。後編では、子育ての肝でもある“夫婦円満のコツ”について教えていただきます。

――子育てだけでなく、“ゆるみ”は日常のあらゆる場面で有効なのでしょうか。

「そうです。武道でも『最大の集中は最大のゆるみから』と言います。でも、瞑想のように何も考えない状態になることは、なかなか難しいですよね。心を解放して自分を変えようと思ったら、体にアプローチしてひとつひとつゆるめていくのが、何よりも早くて効果的なんです。『怒らないようにしよう』と難しい自己啓発本を読むより、体をゆるめたほうが、よっぽど柔和で優しい人になれる。お母さんは育児書を読むより、おうちでお父さんと手当てをし合うのが一番いいんですよ」

――だんなさんといっしょにゆるめ合うのはいいですね。

「お父さんとの関係が悪いと、子どもに八つ当たりしちゃうんです。夫婦間で我慢を重ねていると、一番弱いお子さんに悪いエネルギーが流れていくんです。逆に言うと、たとえば子どもが不登校になったり問題を起こしたりするのは、お父さんお母さんを仲良くさせたいというお子さんの無意識の思いがあったりするんです。子どもは親のために、いろいろやってくれるんですよ。ですから、子どもの面倒ばかり見て、お父さんをほったらかしにするんじゃなくて、お父さんを大事にして仲良くすれば、子どもは勝手にすくすく育ちますから。今はお父さんの力が弱くなって、家族のバランスがおかしくなっているから、子どもが怪獣みたいでしょう? ママがパパの悪口ばかり言っているから、男の子は自信のない子になるし、女の子は結婚しなくなるの(笑)。『ママは誰が一番好き?』と聞かれたら、『パパが一番』と答えておけば、兄弟姉妹でも争いようがありませんから、お子さんも安定しますよ」

――母子円満のカギは、お父さんとの関係にあるんですね。

「はい。食事のあとにでも、お父さんの頭の後ろや肩甲骨をゆるめてあげて、ぐっすり寝てもらう。立ち仕事やデスクワークで疲れているお父さんには、ふくらはぎをさすってあげてれば、内臓がゆるんで楽になりますから。そうしたら、ちゃんと働いてくれるし、仲良くなるし。女性は太陽からエネルギーをもらい、男性はその女性からエネルギーをもらうのが、自然な流れなんです。お父さんにふれてあげるだけで、怒らなくなるし若返ります。お子さんもそのほうがうれしいですよね」

gandari6

後頭部の「盆の窪」の両側に手を入れて指先を動かすだけで、緊張がほぐれ癒し効果が。力を入れる必要はなし

gandari7

肩甲骨とお尻のあたりに手のひらを当て、同時に軽くゆらすだけで、気の流れが良くなり、体のゆがみが調節できる

gandari8

ふくらはぎほぐしは一人でもOKだけれど、相手のひざまくらの上に乗せてゴロゴロするとより効果的

――まじめなオーガニックママさんほど、パパが協力してくれない、と不満に思う人は多いかもしれませんね。

「ママさんの中に『私を認めて!』という強迫的な気持ちがなくなれば、パパさんも心を開いてくれると思う。お母さんが何か我慢していると、その思いが家族に移っちゃうの。「私が家族のためにこんなにがんばっているのに、何よ!」と思うから腹が立つし、みんながかえって言うことを聞いてくれない(笑)。意地になって体にいいものを食べていても、イライラしていたらおいしくないですよね? 家族いっしょにおいしいものを食べればいいんです」

――皆でいっしょに好きなものを食べる、遊ぶ、笑う。そんな当たり前のことが難しくなっているのかもしれません。

「お母さんが笑わないと、お子さんも笑顔がないですね。にらめっこして笑ったり、いっしょに遊ぶひまがないですからね。お子さんといっしょでも、お母さんはずーっとスマートフォンの画面を見ているでしょう。体を動かさないから、電磁波や邪気がたまるいっぽうです。もっといっしょになって体をゆるめて、たくさんふれ合って和やかな気を流してあげてください」

――子どもをどうするかの前に、まず「親がゆるむ」ことが大事なんですね。

「お母さん自身、『親に厳しく育てられた』とか、『思うようにさせてもらえなかった』とか、そんなふうに思い込んでいる人は多いでしょう。だから自分のお子さんには、何でも好きにさせてあげなきゃと、肩に力が入っちゃう。そうすると、かえって手に負えない怪獣になってしまい、結局は鬼のように怒ったりする。ですから、最初から無理はしない。『お母さんは疲れているのよ』って、もっと手を抜いてもいいんです」

――「がんばらない」ほうが、結果としては良くなると。

「お母さんが『この子のために…』と思って厳しくするのも甘やかすのも、本当はその子のためにはならないんです。お母さんは、自分ができなかったことを子どもに託してやらせようとしますが、それが間違いのもとですね」

――どうしても、親は子に過剰な期待をかけてしまいますよね。

「本当のことを言えば、親は子にどのように接してもいい自由があるの。子どもが親を選んで生まれてきているんですから。厳しく育てられた子は、一時は親をうらんだり誤解することがあるかもしれません。でも、だからこそ立派に自立した子どもに育つんです。ある意味『反面教師』も大切なんですよ」

――なるべく反面教師にならないためにも、子どものことよりも、まず第一に自分自身のこと、ですね。

「何よりも大事なのは、お母さんが自分自身をやさしく大切にして、素直になることでしょうね。子どもにたたかれても噛まれても『痛い』と言わないお母さんがいますが、そんな我慢する必要はないんです。痛いものは痛い、嫌なものは嫌なんですから。そう言わないと、子どもはお母さんをたたきまくるだけですよ。甘やかされた子どもは、いずれ社会でものすごく苦労しますから、無制限に自由にさせすぎないこと。いちばん不幸なのは、お母さんがダメと言わず、何でも与えられてきた子なんです」

――「感情的になっちゃダメ」と思い込むお母さんが増えているんでしょうね。

「怒るとどうしても嫌な気持ちになりますし、一人でストレスを抱えてしまう。子育て中のお母さんは、孤独ですからね。ですので、お子さんに自分で選択することを学んでもらう。「怒らなくてもいい状況を作る」ことが賢いやりかたです。そのさい、子どもは理屈では説得できませんから、お子さんに理解できる範囲の体験の中から、親が賢い選択肢を与える工夫をすればいいんです」

――具体的にはどのように、子どもに自分で選択することを学んでもらえばいいのでしょう?

「命令するのをやめる。子どもは経験が少ないので、自分で判断する材料が限られています。お子さんが安心するような材料を示せばいいんです。たとえば、『行くの、行かないの?』という聞き方をすると、『行かない』という答えが返ってくると困る(笑)。だったら、『この靴はいていく?』『電車で行く?』など、いくつかお子さんが興味を持ちそうな『行く』方向の選択肢を与えて、子ども自身に選ばせてあげること。自分で決めたという意識を持たせることが大切です。あんまり駄々をこねる時は、言葉よりもこうやって背中をさするのが効果的です」

gandari10
よく親が小さな子をなだめる時にする背中さすりは、心を落ち着かせる効果が

――命令ではなく、好き勝手でもなく、賢い選択肢を与えて「選ばせる」のがポイントなんですね。

「これって、大人も同じですよね。ご主人に『新しいショッピングモールができたけど、行く?』とだけ言っても、どうせ買い物に付き合わされると思って『行かない』と答えるでしょう。でも、『モールの本屋さんでは、本を読みながらコーヒーが飲めるんだって』と言えば、本好きのご主人なら『行ってみるか』となります(笑)。相手目線になって、興味のありそうな情報を与えてあげればいいんです。命令したり、何でもやってしまうお母さんではなく、相手に情報を与えてみずから動くように促す、賢いお母さんになってほしい」

――なるほど。ただ、子どもにまかせても、うまくいかない場合もありますよね?

「子どもは、失敗するのが専売特許です。転んだり、何かをこぼしたりするのは、学ぶための絶好のチャンスなの。それなのに、『何をやってくれたの、あっちへ行きなさい!』と追いやってお母さんが片付けたのでは、失敗から何も学べませんし、『失敗したダメな自分』というマイナス感情が刷り込まれてしまいます。そうではなく、『こんなふうに片付けてみようか?』と言っていっしょにやれば、見ていて覚えるし、その子の自信につながるんです。『失敗したらダメ』ではなくて、『失敗から学んで成長する』ことを教えるのがお母さんの役割なんです」

ガンダーリさんの話を聞けば聞くほど、凝り固まった考えがほぐれ、心が楽になっていきます。和みのヨーガは、手当てを受ける側だけでなく、手当てをする側にも大きな効果をもたらすとされます。なるほどガンダーリさんのそばで見たり聞いたりしているだけでも、心地よい空気が流れるのが実感できます。

日々の暮らしでストレスがたまった時は、まず「鎖骨下トントン」で心を静め、深呼吸をしながら「合谷」を押して疲れを癒して。ご主人とは寝る前などにゆとりを持って、後頭部や背中、ふくらはぎをゆるめっこしましょう。ママさん、そしてパパさんの体と心がゆるみ、家族みんなが幸せな気分に包まれることを願って。

gandari11

ガンダーリ松本さん・Profile

自然治癒予防整体「和みのヨーガ」創始者。

九州大学経済学部卒業後、心理学、東洋医学、大脳生理学などを学んだ後、インドの伝統的ヨーガと日本人の特性と智恵を生かした独自の予防治療整体を考案。教育機関や企業で指導を行うかたわら、各地で教室を開催。通信教育(がくぶん『和みのヨーガ実践講座』)を開校し、全国でインストラクター養成にも取り組み、2015年現在、150名を超えるインストラクターが全国で活躍中。

著書に、『心とからだにきく 和みの手当て』(地湧社)、『かたくなったカラダをゆるめる和みのヨーガ』『心とカラダがキレイになる和みのヨーガ』(ともにPHP研究所)など。

→「和みのヨーガ」ホームページ

→世界一やさしいヨガで疲れた女性たちを“ゆるめたい” 「和みのヨーガ」ガンダーリ松本さん(前編)

株式会社スタジオポケット

代表取乱役・早川さや香と、お目付け役の青木ポンチを中心に活動する、「地球と社会のほころびを縫う」をコンセプトに発信する物書きユニット。編著作に『未来につなぐ わらごはん』(集英社)、『「勉強しろ」と言わない子育て』(講談社)、『震災から1年後の被災地レポート』(PHP)など。
http://ameblo.jp/studiopocket/
メールマガジン
おすすめのイベント情報やコラムのご紹介をメルマガでお届けします。「新着情報や人気コラムをまとめて知りたい」という方はぜひご登録ください!
最新の記事をチェック

関連記事